Ohno ENT Clinic
JR青梅線牛浜駅より徒歩2分
東京都福生市にある耳鼻咽喉科医院・病院
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公開日:2022年9月20日
更新日:2024年12月15日
ご来院いただいた患者さんにご満足いただけるよう
心がけています
慢性上咽頭炎に対する上咽頭擦過療法(EAT・Bスポット療法)、舌下免疫療法
行っています
外耳道湿疹
耳がかゆいとか、ジュクジュクするという方はたいへん多くいらっしゃいます。その多くは耳のさわりすぎによります。綿棒などでさわっていると、刺激でかゆくなり、さらにさわると荒れてきてさらにかゆくなり、ジュクジュクと湿って湿疹を生じます。炎症を起こすと痛みを生じます。
耳がかゆかったら、むしろさわらずにそっとしておかないとどんどん悪化します。
抗生剤やステロイドを含有する軟膏を塗布して局所の安静を指示しています。
さわっていると良くならないことをよく認識する必要があります。
外耳道真菌症
真菌とはいわゆる「かび」の1種です。
その多くはアスペルギルスという真菌です。
やはり耳の強いのかゆみを生じます。
これもよく耳をいじっている人に多く見られます。
これまでこの疾患はなかなか良くならず、各耳鼻咽喉科医を悩ませてきましたが、抗真菌軟膏が有効であることを院長が確認し、報告しました(耳鼻咽喉科展望 41巻4号:430-434:1998)。
当院での処置で改善させることが可能と考えています。
急性中耳炎
幼小児に多く、多くは感冒のあと数日後に耳が痛くなって発症します。夜間に痛くなることが多くて、耳鼻咽喉科当直医泣かせの疾患です。
しかし痛みに対しては、小児用バファリンなど市販の鎮痛剤の他、一般的な解熱剤や鎮痛剤を服用することによりおさまりますので、これらを飲ませてその場をしのぎ、翌日耳鼻科を受診させてもまず問題ありません。痛みがおさまるまでは薬剤服用後30-40分程度はかかりますので、少し待つ必要があります。痛みがおさまっても中耳炎が治ったわけではありませんので、翌日にでもかならず耳鼻科を受診させてください。
急性中耳炎では中耳腔(鼓膜の奥の部屋)に膿が溜まっています。時間が経つとこれが水に変わっていき、徐々に排出されて治りますが、そのまま水が残って滲出性中耳炎に移行することがあります。
完全に治るまでは通院させてください。
滲出性中耳炎
中耳腔に水が溜まった状態で、その結果難聴となります。
上記の急性中耳炎から移行するケースが多いのですが、小児の場合はアデノイド増殖症が原因となることがあります。大人の場合も風邪をひいて発症することが多いのですがまれに上咽頭癌が原因となることがありますので注意が必要です。
滲出性中耳炎では、軽度の難聴となりますが痛みは生じません。そのため、お子さんの場合は症状を訴えないので注意が必要です。
突発性難聴
突発性難聴とは、文字通り急に発症する感音難聴(聞こえの神経障害からくるもの)で、かつ原因の不明なものです。内耳への血流障害、ウイルス感染、ストレスなどが関係しているとされています。
聴力のパターンとしては低音域から高音域全体にわたって落ちているものが典型的ですが、症例によっては中音域のみが低下しているもの、高音域のみが低下しているものなどがあります。低音域のみが低下している場合には、急性低音障害型感音難聴の可能性があり、突発性難聴とは異なる病態を示しますので注意が必要です。
治療としては、なるべく早めにステロイドなどの投薬を開始して、安静を保つ必要があります。といっても、発症してすぐに治療を開始しなければならないほどの緊急性はありません。発症してから1週間以上経過した場合は治療成績が悪くなるという報告があります。逆にいえば、1週間以内であれば間に合うということになります。
治療方法としては、ステロイド剤、ビタミンB12製剤、循環改善剤などの投与を行いますが、これを入院して点滴で行う方法、外来通院で点滴を行う方法、外来通院で内服治療をする方法などがあります。安静を保つ意味と、薬剤の高い血中濃度を得るという意味では入院加療が理想的ですが、聴力低下が比較的軽度であれば外来通院でも改善させられることが期待できます。
このほかに、高圧酸素療法(施設が限られます)、星状神経節ブロック、鼓室内ステロイド注入などの方法があげられますが、これをやれば明らかによくなるというものではありません。
聴力の予後としては症例によって異なり、ちょっと乱暴ですが大まかにいえば1/3は治癒、1/3は治癒しないが改善、1/3は改善しないといった感じです。なお聴力の予後が不良なケースとしては、1)聴力障害の程度が強いもの(ほとんど聞こえないほど悪いような場合)、2)めまいを伴う場合、3)発症から2週間以上経過していて、難聴の残っている場合、があげられます。また高音域(4000HZ-8000Hz)のみが低下しているようなパターンも治りの悪い印象があります。
やはり、早めに的確に診断して治療を開始することが重要です。
急性低音障害型
感音難聴
最近よく見られる疾患で、聴力検査では主に125Hzから250Hzの低音域を中心に低下する聴力パターンを示します。人の声の領域は1000Hz前後の中音域ですので、この低音域が低下してもあまり聞こえないという症状の訴えはなく、むしろ耳が「詰まった感じ」とか「ふさがった感じ」として自覚されます。
仕事が多忙であったり不眠であるなどの疲れや、ストレスのある時に発症しやすい傾向があります。
聴力予後ですが、多くのケースはビタミンB12製剤や循環改善剤の投与と生活指導(疲れ、ストレスを回避すること)で比較的短期に改善する場合が多いです。当院では、本疾患に対しては上記薬剤等の投与のみとし、ステロイドを用いないでまず経過をみるようにしています。
ただ突発性難聴と違って再発することもあり、また進行性に聴力が悪化してめまいを伴うメニエール病に移行する症例もあります。
本疾患もメニエール病もいわゆる「ストレス病」ということができると思います。